維新県議から立花氏への情報提供

 兵庫県の斎藤元彦知事らが内部告発された問題で、県議会調査特別委員会(百条委員会・15人)で委員を務める増山誠県議(兵庫維新の会)が、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏に対し、非公開にすると申し合わせたはずの百条委の音声データを提供したと告白した。百条委は自治体の疑惑解明を目的に、地方自治法が議会に強い調査権限を与えた「伝家の宝刀」だ。その価値を自らおとしめるかのような行為に、厳しい批判が向けられている。

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 増山氏は19日夜に出演したインターネット番組で明らかにした。問題の音声データは、昨年10月25日に非公開で行われた片山安孝・前副知事の証人尋問のやりとりが収められている。片山氏が、告発文書を作成した元西播磨県民局長(故人)の公用パソコンにあった私的文書の内容を話し出し、百条委委員長の奥谷謙一県議が制止した様子が収められていた。

 百条委は告発内容の真偽を確かめることが目的で、元県民局長の私的文書は調査対象ではない。私的文書は昨年3月、片山安孝・前副知事が「告発主は元県民局長」と当たりをつけ、元県民局長が使用する公用パソコンを回収して見つけており、公益通報者保護法が禁じる「告発者捜し」の疑いがある方法で入手したものでもあった。

 奥谷氏が片山氏の発言を制止した理由は他にもある。元県民局長は昨年7月に死去する直前まで百条委の調査に応じる意向を示し、「プライバシーに配慮した調査」を強く求めていた。ところが片山氏が私的文書に、元県民局長の社会的評価をおとしめるような裏付けのないタイトルをつけて証言したため、不当であるという判断をした。

 増山氏から音声データを入手…

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