6日午後2時、名古屋高裁金沢支部の205号法廷で、38年前に逮捕され殺人罪で服役した前川彰司さん(59)の再審公判が始まる。弁護団の1人、野条泰永(やすひさ)弁護士(42)は、弁護団席の最前列にいてほしかった大先輩の背中を思う。
事件が起きたのは1986年3月19日夜。福井市の市営住宅の一室で、留守番をしていた中学3年の女子生徒(当時15)が顔や胸など数十カ所を包丁でめった突きにされるなどして殺された。約1年後、当時21歳の前川さんが殺人容疑で逮捕された。
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福井市出身の野条さんは事件当時3歳。福井地裁が90年に無罪を言い渡したときも、高裁支部が95年に一転して有罪判決を下し、懲役7年の判決が最高裁で確定したときも、まだ子どもだった。
事件に取り組むきっかけは…