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相川金銀山の象徴となっている「道遊の割戸」=2024年5月19日、新潟県佐渡市、田島知樹撮影

 日本がめざす「佐渡島(さど)の金山」(新潟県)の世界文化遺産登録をめぐり、韓国外交省関係者は26日、韓国メディアに対し、日本との間で「合意が大詰めを迎えている」と述べた。そのうえで、「特別なことが起きない限り、世界遺産に登録されると予想される」とし、登録に同意する方針を明らかにした。

 世界遺産委員会は全会一致での登録決定を慣例としており、委員国の一つである韓国が同意する姿勢を示したことで世界遺産登録に向け前進した。

 韓国側はこれまで登録に対する賛否を保留していたが、韓国外交省関係者は、鉱山で朝鮮半島出身の労働者が働いたことを含む「全体の歴史」について、「日本が反映すると約束し、実質的な措置をすでに取った」と評価した。

 世界遺産委は21日からインドで開かれており、佐渡島の金山は27日にも審議される予定。佐渡島の金山をめぐっては、戦時中に朝鮮半島出身者が働いていたことから、韓国政府が「強制労働被害の現場だ」と反発した経緯があり、現地に展示施設を整備して労働者の歴史を反映することなどを求めて交渉が続いていた。

 日本外務省によると、上川陽子外相と韓国の趙兌烈(チョテヨル)外相は26日、訪問先のラオスで会談した際、佐渡島の金山の世界遺産登録について互いに言及したという。(ソウル=太田成美)

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