追悼式で黙禱(もくとう)をする参列者ら=2025年9月13日午後1時31分、新潟県佐渡市相川、山崎靖撮影

 世界文化遺産「佐渡島(さど)の金山」の朝鮮半島出身者を含む全ての労働者の追悼式が13日、新潟県佐渡市で開かれた。「追悼の辞」について意見の隔たりが埋まらず、韓国側は昨年に続き不参加となった。日韓ともに改善基調の両国関係への影響を避けたい考えだが、歴史問題をめぐる課題として尾を引くことになる。

 追悼式は市民団体や県、市などでつくる実行委員会が主催。招待された国内関係者ら約70人だけが参加した。政府代表の岡野結城子・外務省国際文化交流審議官は追悼の辞で、朝鮮半島出身労働者について「戦争という特殊な社会状況下とはいえ、故郷から遠く離れた地で危険で過酷な環境で労働に従事された」と言及した。

 昨年は生稲晃子外務政務官と花角英世知事が参加したが、今回は政府からは事務レベルの派遣で、知事も出席しなかった。

 昨年7月の世界遺産登録にあたり、韓国側は「強制労働被害の現場」だと反発。日本側が朝鮮半島出身労働者を含む全ての労働者の過酷な労働環境を紹介する展示を設けるほか、全労働者の追悼行事を毎年開くことなどで、登録を受け入れた経緯がある。だが、昨年の追悼式は直前に欠席を決めた。

 韓国側は今回、追悼式の9日…

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