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スーパーのコメ売り場では高騰する国産米のほか、米国産の「カルローズ」が販売されていた=2025年5月8日午後5時4分、埼玉県越谷市、山田暢史撮影
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 「農政通」として歴史的な米価高騰への対応を期待された江藤拓農林水産相が21日、更迭された。新米が出回っても、備蓄米を放出しても米価は下がらず、最後は消費者の感情を逆なでする自らの失言で退いた。

 「余っているなら分けてくれというのが本音です」

 東京都目黒区の「フードバンク目黒」の平瀬栄治理事長(71)は、そう漏らした。

 寄付を頼りに、原則月2回、計3キロのコメなどを約200の困窮家庭に配ってきた。だが、コメ不足のあおりで、4月から大口の寄付がなくなり、個人からの寄付も減った。今月末には倉庫のコメが尽きる見通しだという。

 やむを得ず、コメの配布を1人2キロと、3割減らし、支援先もより困っている人に絞った。それでも「コメをいただきたい」という声は絶えない。

 江藤氏は佐賀市内の会合で、「(コメは)家には売るほどある」と述べた。平瀬さんは「明後日の食べ物すら確保できていない人もいる。(発言は)とても残念だ」と話した。

「人の命を国の支援が握っている」

 65団体が加盟する全国フー…

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