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 9月の自民党総裁選は、高市早苗前経済安全保障相が勝利へあと一歩まで迫った。10月の衆院選では、日本保守党が初めて議席を獲得した。二つの事象を、いわゆる「保守」の台頭だと見る向きがある。これらは、国民の政治意識が変化した結果なのだろうか。双方を取材してきた立場から考えたい。(笹山大志)

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当選確実の報道を受け、支援者の手を握る高市早苗氏(中央)=2024年10月27日午後8時36分、奈良県斑鳩町法隆寺東2丁目、仙道洸撮影

支持を広げる高市氏、その背景は

 衆院選で10回目の当選を果たした高市氏は早速、動き始めた。

 5日夜、東京都内のホテルに約20人が集まった。いずれも先の総裁選で高市氏を支持した議員らだ。酒を酌み交わしつつ、総裁選から衆院選まで切れ目なく続いた戦いを互いにねぎらう中には、自民非公認で当選した萩生田光一元政調会長の姿もあった。

 「ガタガタしていると自民党は野党に転落してしまう。結束して自民党を支えよう」。出席者によると、高市氏はそう呼びかけたという。

 自民・公明両党をあわせた与党が過半数に満たない中、内部分裂すれば野党が漁夫の利を得る。「直ちに倒閣へ動かず、当面は静かに過ごすシグナルだ」。出席者の一人はそう受け取った。

 2012年の第2次安倍政権…

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