京都・嵐山で暮らし、動物愛護のPRなどで全国を飛び回る元保護犬がいる。10歳のオスのシバイヌ、ジェームスJr.くん。各地でイベントを開き、グッズの売り上げを動物愛護センターに寄付する。近くの古刹(こさつ)も協力し、命の尊さを訴える。
Jr.くんは2015年に生まれた。外国人の飼い主が帰国し、里親を探していた。そのことを知った京都市右京区の高谷(たかや)美和さん(62)が19年秋に引き取った。ビルの一室で暮らし、表情に乏しく、何かをあきらめているように映ったという。
この年の2月、高谷さんは愛犬のジェームスくんを亡くしていた。ジェームスくんも元保護犬だった。11年の東日本大震災を機に、動物愛護のための活動をしてきた。Jr.くんも先代と同じ道を歩むことになった。
活動の柱の一つに寄付がある。
Jr.くんが登場するカレンダーやクリアファイルなどのグッズを作り、イベントやインターネットで販売する。売り上げは毎年、京都動物愛護センター(京都市南区)に届ける。今年は50万円を寄付した。動物愛護教育や保護されている動物の適切な飼養管理などに役立てられているという。
地元もJr.くんの活動を支える。
近所にある尼寺・曇華院(どんけいん)門跡は24年秋の特別公開に合わせて、グッズ販売に協力した。Jr.くんの写真付きオリジナル御朱印も用意し、寺への志納金を寄付に生かしてもらった。千種(ちくさ)慈晶住職は「人も動物も命は同じ。何か手をさしのべられることをしたかった」と話す。
エフエム京都の番組にも定期…