数年前、第2子を出産し、病院から自宅に戻った日のことだった。
夫が目の前に、ドサッと書類を並べて言った。
「はい。これ今すぐ全部読んで。明日から準備して」
40代の女性は何のことかすぐに理解できず、ぼうぜんとした。渡されたのは、上の子の学校関連の書類だった。
「新生児を抱えている私に、今それ言う?」。そう思い、涙がこみあげてきた。
「ごめん、ちょっと具合が悪い」と言い、別の部屋にうつって泣いた。新たな家族が増え、幸せな日になるはずだったのに。もうこの人との結婚生活は難しいかもしれない。
「離婚」の文字が、頭をよぎった瞬間だった。
厚生労働省の調査によると、ひとり親になった女性の4割は子どもが0~2歳のときに離婚しており、5歳までを合わせると6割にのぼるという。「産後離婚」が多い理由は……。
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