Smiley face
写真・図版
木村昴=篠塚ようこ撮影
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 木村昴さんと言えば、アニメ「ドラえもん」のジャイアンの声を務めるほか、子ども向け番組「おはスタ」のメインMCやバラエティーなどでも、マルチに活躍中です。

 11日から始まる読売テレビ・日本テレビ系の「クラスメイトの女子、全員好きでした」(木曜夜11時59分)でドラマ初主演を飾ります。演じるのは、なんと「すねお」役で……。話は主演作以外にも、人気漫画「スラムダンク」の映画「THE FIRST SLAM DUNK」から、声優の仕事などで“後継者”となることまで。木村さんの仕事への向き合い方は、多くの人に参考になるはずです。

 ――ドラマのタイトルは強烈です。

 クラスメートの女子を全員好きになることは、普通、無理ですよね? 演じる主人公・脛男(すねお)は、本当に好き。それも、人の変わった部分を好きになることが、良さかなと思う。毎回好きになるヒロインが代わるので、令和版・寅さんのような印象も受けました。登場する同級生がとにかく個性的で、「私のクラスにもいたかも」「いや絶対いないだろう、こんなやつ」と思いながら見てもらえたら。

 ――役名は「すねお」ですが、役名を聞いたときには率直にどう思いましたか。

 たぶん、一生演じることのなかったはずの役名ですよね……? 残すは、ドラえもん、のび太、しずかちゃんかあ。コンプリートしたくなりました(笑)。

 ――声優業と俳優業は、どれほどの違いがあるでしょうか。

 セリフを覚えて演じる俳優と、台本を持って演じる声優の差は大きいです。

 僕は劇団の活動も長年続けてきたんで、セリフを覚えることに抵抗感はありませんが、それでも普段の声の仕事と、セリフを覚えて自分の体で表現する、違いはあるのかな、と思います。

 ここ数年、俳優としての課題は、声に頼ってしまうことなんです。かつて、刑事ドラマで、新米デカの役をやらせてもらう機会がありました。部屋に駆け込んで、「警部、防犯カメラの映像を解析しました!!」といったセリフがあった。いつもの声の仕事のように大げさにセリフを言ったら、うるさかったみたいなんですよね。

 声優としては、どれだけわかりやすくて、派手で、スクリーンから飛び出てくるような迫力あるお芝居ができるかが大事なところもある。一方で、映像のお芝居で必要なものは、生々しさ、自然さでしょうか。相いれないというか、その質が全然違うものでして。そのギャップを最初は感じてたんですけど、だんだん慣れてきました。

桜木花道役で実感「アニメとドラマの芝居の質、シームレスに」

 一方で、アニメ業界のトレン…

共有