兵庫高校吹奏楽部の顧問、亀田祐樹さん(37)が引退する3年生たちに伝えていた言葉がある。
一生の居場所ができたと思ってほしい――。
連載 ユーカリの樹の下で
校庭に立つユーカリの下での演奏から始まった吹奏楽部。「名門復活」なるか。挑戦を追います。
今年の卒業式が終わった3月上旬。兵庫高校の教室には、スペインの民俗的なリズムにのった「エル・カミーノ・レアル」の旋律が響いていた。
タンバリンやカスタネットを軽快に打ち鳴らす亀田さん。その横には全身でリズムをとり、小太鼓をたたく小坂恭子さん(38)と、まっすぐ前を見据えて大太鼓を鳴らす山田翔平さん(38)の姿があった。
同級生の「打楽器トリオ」が吹奏楽コンクールで関西大会に進んだのは、今から20年前のことだ。
「ティンパニの女王」とまで…