公務災害を申請した男性隊員=2025年2月27日午前10時10分、仙台市青葉区、岸めぐみ撮影

 宮城県内の陸上自衛隊駐屯地で、先輩隊員から9年にわたりハラスメントを受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したとして、県内の30代の男性隊員が駐屯地に公務災害を申請した。代理人弁護士が27日、記者会見で明らかにした。駐屯地は28日、朝日新聞の取材に申請を受けたことを認め、調査に乗り出したと明らかにした。

 代理人弁護士によると、男性は2006年9月の入隊直後から、先輩隊員2人に「女みたい」「女性陸上自衛官よりかわいい」と言われ、歓送迎会や忘年会で女装を強要されたほか、キスや尻に性器を押しつけられるなどの行為を約4年半にわたり受け続けたと主張。別の隊員からも、タバコを胸に押しつけられ、今も跡が残る火傷を負わされたとしている。

 勤務中には、ドライバーなどで性器をこすられたり、殴られたりしたほか、クレーンのフックをつかむよう指示され、つかむと、その状態でつり上げられて「落ちたら死ぬから離すなよ」と言われ、数メートルの高さに数十秒間、つり下げられたと訴えている。

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