5度の宇宙飛行を経験し、国際宇宙ステーション(ISS)で船長も務めたさいたま市(旧大宮市)出身の宇宙飛行士、若田光一さん(61)が21日、中学生や高校生を対象にオンラインで講演した。
講演会は埼玉県のオンライン留学体験プログラムの一環で、中高生約60人が参加した。
若田さんは1992年に宇宙飛行士候補に選抜され、96年にスペースシャトルで初めて宇宙飛行を経験。今年3月に32年勤めた宇宙航空研究開発機構(JAXA)を退職し、現在は米国の宇宙企業でISSの後継や新しい宇宙服の開発に取り組んでいる。
初の宇宙飛行前の訓練のときには、英語での意思疎通が思うようにいかなかったという。「苦労したが、失敗して克服しようと努力しているときが、人間は一番進歩する」と、挑戦が大切だと呼びかけた。
ISS船長の経験にも触れ、「文化も背景も違う人たちとの間にあうんの呼吸というのはない。コミュニケーションは直球勝負が大事」と話した。(中村瞬)