年末調整を廃止し、すべての国民が確定申告をする仕組みへ――。河野太郎デジタル相が自民党総裁選に向けて打ち出した公約が波紋を広げている。SNSには「国民の確定申告より自民の裏金解明が先だ」といった批判も出て大荒れに。河野氏は「確定申告は自動的に入力される」と説明するが、いったいどんなアイデアなのか。
企業に勤める会社員の場合、所得税は企業が代わって納税し、毎月の給与から天引きされている。ただこれは概算のため、年間の所得額が確定してから過不足を精算する。これが「年末調整」だ。扶養控除や生命保険料控除、2年目以降の住宅ローン控除なども年末調整で受けることができる。
確定申告が必要なのは、自営業やフリーランスの働き手のほか、年収2千万円を超える会社員、副業や兼業で複数の事業所から所得を得ている場合など。勤め先の企業でやってもらえる年末調整と違い、1年間の所得をもとに納める税額を自分で計算する。税務署に書類などをそろえて提出する必要があり、最近はデジタル化も進むが、苦戦する人が多い。
ただ、河野氏の説明によると、こうした手間はほとんどなくなるという。
まず給与などのデータを集め…