「共有地」という言葉がある。共同で利用される資源「コモンズ」とも、「私有」の反対概念が「共有」であるとも言われるが、厳密な定義は難しい。
時代にあわせて変化する「共有地」を実際に体感し、その言葉に命を吹き込み輪郭を与える。そんな連載がRe:Ronで始まった。「ちいさな総合出版社」を掲げるミシマ社の代表三島邦弘さんの寄稿「共有地よ! 三島邦弘の思いつき見聞録」だ。
コメ問題に象徴されるように、既存の仕組みが目詰まりしたり停滞したり、制度疲労をおこしているかのような社会。ひょっとして今こそ「共有地」の存在が大切なのではないか。三島さんと記者がそう直感したところから、この企画は始まった。三島さんとの出会いは2006年。「面白い人が独立してん。気ぃ合うと思うわ」と、若手作家を発掘してきた出版社リトルモアの孫家邦さんから紹介された。
思想家の内田樹さんや中島岳志さんらの本を出す一方、ミシマ社は、本の問屋である取次を経由しない直取引の仕組みを作り、読者によるサポーター制などユニークな取り組みを実施。地域の文化を担う書店や中小の出版社、そして著者という仲間を増やしてきた。
今回の企画は、三島さんが「共有地とは○○ではないか」といった仮説をたて、いろんな現場に行って検証してみるというもの。最初の仮説は「共有地は闇夜とともに」。神戸市で開かれた「ナイトピクニック」に参加し、震災から癒えきっていない神戸の公園から生まれた「共有地」を経験した。連載2回目で報告している。
- 【三島邦弘さんの記事はこちら】人を解放する「共有地」を探して
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【共有地よ! 三島邦弘の思いつき見聞録】
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