7月にあった東京都知事選で15万4638票を獲得し、5位に入ったAIエンジニア安野貴博さん(33)の選挙戦で、夫について語る妻・里奈さん(33)の応援演説動画がSNSで注目を集めました。里奈さんは大手出版社の編集者として、選挙中も仕事を続けていたそうです。会社にはどう説明し、選挙とどう両立させていたのか。「候補者の働く配偶者」として臨んだ選挙戦について聞きました。
- 「夫です。」タスキをかけ街に出た 妻が立候補、私が見た日本の選挙
――貴博さんを応援する演説動画が「うますぎる」と拡散しました。準備はどの程度していたのですか。
投開票日の2日前にした演説の動画を、ボランティアの方が翌日朝に投稿してくれました。その日、「動画を見ました」と言って演説会場に来てくれた方もおり、とてもありがたかったです。
素人臭さがウケたのではないかと思います。裏では、演説のコツをボランティアの方々に細かく指導してもらっていたんです。「演説中の手はグーではなくパー」「候補者名を序盤に入れる」「前髪は留めたほうが印象が良くなる」などと教えてもらいました。
話す内容は直前に考えていました。演説会場で「5分集中させて」と周りに伝えて。中学から大学までの演劇経験は、もしかしたら役に立ったのかもしれません。
「出しゃばるな」「夫を自己実現に使っている」の声も
――演説にはどんな反応があり、どう受け止めましたか。
告示日の前夜、安野(夫)か…