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公開された文書問題調査特別委員会=2024年11月18日午後、神戸市中央区、田辺拓也撮影
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 兵庫県知事選では、告発文書問題を調査している県議会の調査特別委員会(百条委員会)のメンバーに対する恫喝(どうかつ)めいた演説や、名指ししたSNSによる中傷も相次いだ。SNS投稿は、議員辞職の「引き金」になった可能性もある。現場では何が起きていたのか。

 「出てこい奥谷」

 「あまり脅しても自死されたら困るので、これくらいにしておく」

 告示後の11月上旬、百条委員会の奥谷謙一委員長の自宅兼事務所前で、「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏が拡声機を使って街頭演説を繰り広げた。大勢の人が集まって笑い声を上げる様子も含めて、演説の動画はSNSなどを通じて拡散された。

 百条委は6月、元西播磨県民局長(7月に死亡)が斎藤元彦知事のパワハラの疑いなどを匿名で内部告発した内容について、真偽や経緯を調べるために設置された。

 奥谷氏は家族を避難させたとし、「すごい怖い思いをした」と話す。立花氏を名誉毀損(きそん)容疑などで刑事告訴することも検討しているという。

 元県民局長の公用パソコンの中にある私的な文書を見て知っていて、マスコミに圧力をかけて隠蔽(いんぺい)しようとした▽公益通報の結果を県が発表しようとしていたが、それを遅らせた――などの投稿が、SNS上の複数のアカウントから拡散していた。奥谷氏はいずれも「デマだ」と断言したうえで、「SNSを通じてデマが広がっていくことは本当に怖い」と話す。

 一方、立花氏は奥谷氏の自宅前での行為を自身のユーチューブで「選挙演説をしただけ。彼が『立花に脅されて、母親が困ってる』と記者会見の場で言ったのは名誉毀損」と主張している。

 県議らを名指ししたSNSの…

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