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犬猫の「殺処分ゼロ」をめざしている北九州市動物愛護センター。取材で訪れた日も複数の猫が収容されていた=2024年4月10日、太田匡彦撮影
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 高齢者のペット飼育には様々な課題がありますが、「一時預かり」やもらい手の少ないシニアの保護犬・保護猫の「受け皿」としての役割を高齢者に期待する向きもあります。行政はどう考えるのか、北九州市の事例を取材しました。

高齢者とペット④ 太田匡彦記者が考える

 「高齢者は飼ってはいけないとするより、犬猫と高齢者がウィンウィンとなる形が作れると良い」

 「譲渡の対象は(もらい手が少ない)中高齢の猫が適当ではないかと考えている」

 飼育放棄されるなどして行政が収容した犬猫を新たな飼い主に譲渡する際の年齢制限緩和を巡って活発な議論が交わされたのは、2021年12月に行われた北九州市の「動物の愛護及び管理に関するあり方検討会」だ。高齢者への譲渡に制限を設ける地方自治体は多く、北九州市でも譲渡対象者を65歳未満の複数人世帯に限っていた。一般論として高齢者は、入院や死亡などで飼い続けられなくなる可能性が相対的に高いためだ。

「緩和」検討したが、現場の逡巡

 一方で同市では、「殺処分ゼ…

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