中川生馬さんが再開した車中泊スポット「田舎バックパッカーハウス」=2025年5月20日午後3時59分、石川県穴水町、杜宇萱撮影

 能登半島地震で被害を受けた石川県穴水町の車中泊施設「田舎バックパッカーハウス」が再オープンした。駐車スペースを広げ、キャンピングカーの貸し出しも始めた。運営する中川生馬さん(46)は「今の能登に一番足りていないのは、泊まれる場所だ。まずはそれを支える場所にしたい」と語る。

 中川さんは、高校から大学までをアメリカ・オレゴン州で過ごし、帰国後はソニーなどに勤務。「毎日がルーティンで、一度立ち止まりたくなった」。2010年に会社を辞めて全国を旅した。能登で出会った人々と旅の後も手紙でやりとりした。心の温かさに引かれ、13年に妻と神奈川県鎌倉市から穴水町に移住した。

 車を拠点に旅をする「バンライファー」の経験から、車中泊ができる施設を19年に町内に開設した。当時としては珍しい1カ月以上滞在できる「住める駐車場」としてスタート。駐車場の隣には共用の風呂やトイレなどを備えた木造2階建ての施設も作った。

 宿泊客も順調に伸びる中、2…

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