水俣病をめぐる国や熊本県の責任を2004年に最高裁で確定させた「水俣病関西訴訟」から20年以上を経て、原告らのその後を描いた書籍「続・水俣まんだら」が出版された。「勝訴」の内実、判決後も補償協定を拒否した原因企業チッソや国、県の姿勢だけでなく、いさかいの末に分裂していった原告団の内幕もつづった。
1983年から原告団を支援してきた大阪市立大学元助教授で立命館大学元教授の木野茂さん(83)と、大阪市立大学の在学中から博士課程満期退学後も支援に携わり、環境教育NPOなどで活動している山中由紀さん(55)の共著。原告の一人で2022年に86歳で死去した坂本美代子さんと、1994年に死去した元原告団長・岩本夏義さんの長女で、自らも水俣病の認定を申請していた小笹恵さん(71)らの軌跡を追った。
2001年の大阪高裁判決は…