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ジェンカレでは政治やビジネス、健康、家族、社会保障など幅広い分野でのジェンダー課題について学ぶ=23年10月、東京都内、ジェンカレ提供

 世界から数万人の女性が集まり、男女平等への熱気を共有した第4回世界女性会議(北京会議)から30年。この間の歩みを振り返る国際会議に、日本から10~20代の若者たちが参加する。会議の参加者が高齢化する中、「北京世代」からバトンを引き継ぎたいという。渡航費や宿泊費にあてるため、約400万円の支援をクラウドファンディング(https://camp-fire.jp/projects/809415/view)で募っている。

 参加するのは、ジェンダーをめぐる課題を半年ほどかけて体系的に学ぶ講座「ジェンカレ」の修了生やメンバー10人だ。

若者がジェンダー課題を学ぶ場所

 ジェンカレは、政府の有識者委員なども務める桜井彩乃さん(30)が2022年に立ち上げた。ジェンダー平等への国の基本計画をつくる会議に若い世代の声をまとめて届けた経験がある。その際、ジェンダーに関連するもやもやを抱えた10~20代に多く出会い、政治やビジネス、健康や医療、家族や社会保障など多岐にわたるジェンダー課題について若い世代が包括的に学べる場所が必要だと考えた。

 各分野のトップランナーの講師から世界の潮流や日本の政策などをオンライン講義で学ぶ。ゼミや合宿で仲間やメンターと交流しながら、自分だからできる「マイ・アクションプラン」を半年かけてつくるプログラム。参加するのは大学生や社会人の若手が多く、すでに1~2期生56人が修了し、今年度は3期生21人が学んでいる。

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ジェンカレでは政治やビジネス、健康、家族、社会保障など幅広い分野でのジェンダー課題について学ぶ=23年10月、東京都内、ジェンカレ提供

 メンバーから希望者を募って選考された10人が向かうのは、3月10~21日に米ニューヨークで開かれる国連女性の地位委員会(CSW)の年次会合。ジェンダー平等の推進をめざして毎年3月にニューヨークの国連本部で開催される国際会議だ。各国から政府代表だけでなく市民団体も集まって2週間にわたりジェンダー平等の課題について議論する様々なイベントが開かれる。今年は、1995年に開催された北京会議からの歩みをふり返ることが主なテーマだ。

日本から5千人参加した北京会議

 北京会議には日本からも約5千人の女性たちが参加した。世界の女性たちとジェンダー格差解消への課題を共有して高揚感を持ち帰り、全国各地で女性運動が活発に展開されるきっかけになった。CSWなど国際会議への参加も、この頃から活躍する「北京世代」が中心を担ってきたが、当時の30~40代はいま60~70代になり、高齢化が課題になっている。

 桜井さんは高校時代からジェ…

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