北海道をヘリで周遊の旅――。そんな実証実験を行って、道内の空港の利用を促したり、空港を活性化したりしようと、関係機関が連携を強化している。それぞれの思惑とは?
11月28日正午過ぎ、新千歳空港のビジネスジェット専用ターミナルから旅客9人を乗せたヘリ1機が飛び立った。
上空から二大カルデラ湖「支笏湖」「洞爺湖」の景色を楽しみながら、30分ほどでニセコに到着。地上で羊蹄山の景色を眺めたあとは余市・小樽の上空を経て丘珠空港に立ち寄り、新千歳空港に戻った。約4時間の旅は、実証運航価格で11万円だ。
参加した札幌市の会社員、森淳さん(24)は「思ったより揺れず、うるさくもなく、速くて快適だった。ふだんドライブする支笏湖の上空からの眺めが印象的だった」と満足していた。「今回のような比較的手頃な価格で参加でき機会をまたつくってほしい」とも話した。
実験を企画したのは、北海道エアポート(=HAP、新千歳・函館・釧路・稚内・女満別・旭川・帯広の各空港を運営)や関係自治体などでつくる「道内空港二次交通高度化検討委員会」。担当者は「空港を起点に、海外の富裕層らが地方まで足を延ばしたくなるようなツアー商品を開発し、道内滞在を長くして地域経済を活性化させたい」と話す。今後、事業化の可能性や利便性などを検証していくという。
HAPや、札幌丘珠空港と関わりが深い札幌市も近年、空港の活性化や機能強化に積極的だ。
HAP、地方空港活性化ねらう
国内外の観光客の多くが、新…