大阪・ミナミの「グリ下」(グリコ看板下)エリアに出入りしていた少女らに売春をさせたとして、大阪府警は2月以降、20~30代の男5人を売春防止法違反容疑などで相次いで逮捕した。
これまでの捜査で、70人規模の「匿名・流動型」の売春仲介グループの姿が浮かび上がってきた。その元メンバーの20代男性が朝日新聞の取材に応じ、「女の子たちとはウィンウィンな関係だと思っていた」と語った。
彼が明かしたグループの内情とは――。
加入時「免許証の写真を撮られ…」
「グループに名前や拠点はなかった。ユウスケさんたちが売春をさせる女の子をメンバーに割り振り、集客や場所選びは任されていた」
こう振り返った男性は、友人から「デリヘルのドライバーみたいな仕事」と紹介されてグループに入り、約1年間にわたり多数の若い女性の売春に関与したと証言した。
「ユウスケさん」は、府警がグループのリーダーとみて今年6月に逮捕した飲食店経営の木村有亮(ゆうすけ)被告(34)=大阪市中央区、売春防止法違反などの罪で7月10日に起訴。昨年6月、グリ下に出入りしていた家出中の女子高校生に売春をさせた疑いが持たれている。
府警は関係者の証言や押収物などから、グループは70人規模で、それぞれ女性をスカウトしたり、出会い系アプリで売春相手を募ったり、女性を売春場所に送迎したりする役割を担っていたとみている。
こうした見立てを元メンバーの男性は否定せず、「半グレ集団というわけではなく、知り合いや仕事仲間のツテで集まった者同士の緩い関係。新メンバーが入れば、紹介がてらミナミの居酒屋で飲み会をしていた」と補足した。
加入時には運転免許証の写真を撮られたというが、「ドライバーを兼ねるので必要なのだと思った」と気には留めなかったという。
女性連れて「北海道と沖縄以外は…」
府警によると、グループはSNSやミナミの路上で「稼げる仕事がある」などと若い女性を勧誘し、同意の上で、未成年を含む100人超に売春をさせていたとみられるという。
売春させる場所はどのように決まり、報酬はいくらだったのか。「ウィンウィンの関係」の意味は。元メンバーの男性が記事の後半で語っています。
男性によると、グループ内で…