(20日、第107回全国高校野球選手権千葉大会4回戦 習志野11―4千葉北=8回コールド)
気持ちの良い感触がバットに残った。
1点リードの五回表1死二塁、千葉北の主将比田勝敬太(3年)は、甘く入った球を見逃さなかった。球は左中間へ飛び、二塁打となった。
一回表にも先制打を放った。「1打席目で打てた自分なら打てる」。その通りになった。
昨夏の初戦、東海大市原望洋戦。打てばコールド負けを回避できる場面で打てず、最後の打者に。先輩の夏を終わらせてしまった悔しさは、バネになった。「最後の夏に全てをぶつけよう」。強みのバッティングを伸ばすため、チームで誰よりもバットを振ってきた。
この日、「誰も勝つと思ってない。千葉をひっくり返そう」と声を掛け合った。習志野を上回る10安打を放ち、強豪を苦しめた。
昨年の悔しさをぶつけた夏に比田勝は「出し切れた。悔いはない」。試合後は習志野の主将の岡田諒介(同)の肩を抱き、「がんばってな」と言葉をかけた。思いは引き継がれたはずだ。=ゼットエー