Smiley face

 広島で被爆し、平和記念公園の「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子(さだこ)さんのおい祐滋さん(54)が2月26日(日本時間27日)、米ハワイでオバマ元大統領と面会し、昨年末に父雅弘さん(83)宅=福岡県那珂川市=から見つかった禎子さんが折ったとみられる折り鶴1羽を贈った。

 禎子さんは2歳の時に爆心地から約1.6キロの自宅で被爆。白血病と診断され、中学1年のとき亡くなった。鶴を千羽折ると願いがかなうと信じ、病床で折り続けたという。

 祐滋さんはミュージシャンで、禎子さんの思いをつづった楽曲「INORI」を歌うなど平和や命をテーマに活動している。また、雅弘さんとNPO法人「SADAKO LEGACY」を設立し、折り鶴を国内外に贈ってきた。

 祐滋さんが2023年1月、親交のあったオバマ氏の妹マヤ・ストロ氏に対し、広島訪問を実現したオバマ氏に「いつか禎子さんの折り鶴を寄贈したい」との手紙を託した。その後、オバマ氏本人から連絡があり、昨年12月に雅弘さん宅から折り鶴が見つかったため、寄贈が実現した。

 祐滋さんによると、面会は20分ほどで、オバマ氏からは感謝の言葉とともに、「広島で佐々木家と一緒に何か出来ることがあれば手伝います」と提案されたという。

 面会を終えて帰国した祐滋さんは「我々と何かしたいという言葉をいただき、おばの鶴が日米の大きな架け橋になったことにとても喜びを感じている」と振り返った。

共有