清水建設専務 東佳樹(ひがし・よしき)1960年生まれ、神奈川県出身。慶応大卒業後、83年に清水建設入社。建築事業本部経理部長や経営企画部長などを経て2023年6月から現職。

主要100社景気アンケート

朝日新聞が今月実施した「主要100社景気アンケート」で、各社の経営陣にインタビューした内容を随時配信します。

 円安などの影響で、建設費が高騰するなか、ゼネコン各社は受注価格にどうコストを転嫁するか、頭を悩ませています。清水建設の東佳樹専務に課題を聞きました。

 ――発注者側と価格転嫁の交渉は進んでいますか。

 「官公庁は、公共事業の予定価格を計算する際に使う賃金基準『設計労務単価』を引き上げるなど、物価上昇に対する対応をとっています。ただ、民間企業の工事では、そういった動きがあまり広がっていません。消費者向けの商品だと、商品価格を上げるだけなので価格転嫁はなじみやすいと思いますが、我々はひとつひとつユニークな建物をつくっているので、単純に単価を比較できません」

 「例えば、民間企業とは『オフィスビルは坪200万でできるよね』といった話になりがちです。でも、建物それぞれの設計や工期、ボリュームなどが違うなかで、一坪いくらと決めるのはおかしい。それにゼネコンも乗るからいけない。『そういうことをおっしゃるのであれば、参加しません』と言う根性がないと、『請け負け』になります」

 ――そうした商慣習は昔からあるのですか。

 「一昔前はゼネコン側がのみ…

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