「プレサンスコーポレーション」元社長・山岸忍氏(左)=2024年6月11日午後5時27分、大阪市北区、田辺拓也撮影

 大阪地検特捜部の当時の検事が、業務上横領事件の取り調べで「検察なめんな」などと暴言を吐いた問題を巡り、この事件で逮捕・起訴された後に無罪となった不動産会社元社長が、刑事訴訟法の見直しを議論している法務省の協議会に対し、特別公務員暴行陵虐罪で検事が受けた付審判決定を真摯(しんし)に受け止め、取り調べのあり方などを議論するよう申し入れた。

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 申し入れをしたのは、「プレサンスコーポレーション」(大阪市)の山岸忍元社長(61)。起訴の根拠となる供述をした元部下への取り調べで、検事が「検察なめんな」などと暴言を吐いていたことが判明し、無罪となった。取り調べは録音・録画(可視化)されており、大阪高裁は8月、一連の取り調べに陵虐行為の疑いがあるとして、検事を特別公務員暴行陵虐罪で審判に付すことを決めた。

 山岸元社長は今月12日、協議会のメンバーらに文書を送り「可視化下での取り調べや、記録媒体の活用のあり方を検証することが不可欠だ。生の事実から学んでほしい」などと申し入れた。

 協議会は法曹や学識経験者らで構成。2019年から一部の事件で義務化された取り調べの可視化の対象範囲の見直しなどを議論している。法務省は「個別事案について議論する場ではない」との考えを表明している。(森下裕介)

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