南米で唯一、台湾と外交関係を持つパラグアイのサンティアゴ・ペニャ大統領が22日、都内で朝日新聞との単独会見に応じ、中国ではなく、台湾との関係を今後も維持する考えを明らかにした。ペニャ氏は「最高の政治制度は民主主義であり、台湾を守ることが我々の政治モデルを守ることになる」と強調。台湾との断交を迫る中国の圧力に屈しない姿勢を示した。

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 ペニャ氏は取材に、「中国の成長と経済力には敬意を表するが、経済的な利益だけに大きな価値があるわけではない」と述べた。「長い間、独裁政権に苦しめられてきた我々は、今日の台湾が置かれた状況にとても共感している。台湾を守ることはパラグアイを守ることにもつながる」と説明。国連は台湾の加盟を承認すべきだとの考えも示した。

 中国の外交攻勢によって、ここ数年でホンジュラスなど中米やカリブの国々などが相次いで台湾と断交した。台湾と外交関係を維持する国は世界で12カ国に減少している。さらに、トランプ米政権が「米国第一主義」を掲げて内向きな姿勢を取るなか、中国は米国ともともと関係が深かった中南米地域への経済協力を拡大。影響力をさらに強めようとしている。

中国の外交攻勢は「偽りの約束」

 ペニャ氏は、中国がパラグア…

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