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新年の演説を行う台湾の頼清徳総統=2025年1月1日、台北、高田正幸撮影

 台湾の頼清徳(ライチントー)総統は1日、総統府で行った新年の演説で「台湾が強靱(きょうじん)であるほど、世界の民主防衛線はより強固になる」と語り、防衛力の強化に取り組んでいく考えを強調した。台湾に防衛費の増額を求める趣旨の発言をしてきた米国のトランプ次期大統領の就任が今月20日に迫る中、防衛予算のさらなる拡大など「(台湾を守る)決心を示す必要がある」とも訴えた。

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 頼氏は「中国、ロシア、北朝鮮、イランなどの権威主義体制が結束し、ルールに基づく国際秩序を脅かしている。特に台湾海峡の平和と安定は、世界の安全と繁栄にとって不可欠な要素だ」と指摘。情報戦や認知戦などに対し、台湾社会全体で認識を深めていく必要性も訴えた。

 一方で、「世界の民主陣営はさらに手を携えて協力し、『民主の傘』を広げるべきだ」とも語った。演説後の報道陣との質疑応答では、権威主義国家がフェイクニュースの拡散などを通じて民主主義陣営の選挙を妨害しているなどと指摘。安全保障のほか、サイバー攻撃や認知戦の対応についても民主主義陣営がさらに協力を強化すべきだと訴えた。

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