(10日、第107回全国高校野球選手権東東京大会2回戦、海城6―3開成)
「史上最低量の練習で甲子園」「全員が監督」――。そんな野球スタイルで臨んだ開成だったが、及ばなかった。主将の乾晴彦(3年)は「やるべきことをやって負けたので、仕方がない」。
初回に相手の立ち上がりを攻めて先行。1点を追う二回には、小宮山敦太(同)と木下大飛(はるひ)(同)が三塁打を放つなど、逆転に成功した。「打撃練習に力を入れてきた成果が出せた」。だが、その後は相手投手を打ち崩せなかった。
青木秀憲監督は「ノーサイン野球」を掲げ、選手の自主性を大事にしてきた。全体練習は原則週1回、3時間程度。「何ができるかを考え、できないことはしないと割り切った」と乾。練習はバッティングとキャッチボールに力を入れ、自ら判断する野球に徹してきた。
この日の試合、選手たちは出塁すると自らの判断で果敢に二塁へ走った。中盤以降、相手に引き離されても、全員が自分たちができることを考えて最後まで戦った。
全国有数の進学校。乾は「みんなが同じビジョンで野球ができた。今後の人生にいかしたい」。=大田