合唱コンクールの全国大会で、指導する中学合唱部を幾多の最高賞に導き、「合唱王国・福島」を牽引(けんいん)してきた小針智意子さん。今年3月、教員生活に終止符を打った。30日の福島県大会開幕を前に、合唱の魅力や指導者としての思いを聞いた。
――どんな教員生活でしたか。
「約40年の教員生活はあっという間でしたが、ひと言で言うなら宝もののような時間でした。音楽教員として恵まれた環境の中で働くことができたことは幸せでした」
小針智意子さんは、全日本合唱コンクール全国大会で福島県内の各中学校を金賞に25回に導いたほか、郡山市立郡山二中で6年連続最高賞、郡山五中で混声・同声両部門4年連続最高賞など「日本一」には17回輝きました。退職後は「合唱塾」を立ち上げた小針さんが、合唱の魅力や指導の秘訣を語ります
――合唱指導では生徒にどう接してきましたか。
「生徒たちにも、自分自身にも、『限界ラインを引かない』というポリシーはずっと持ち続けてきました。人は基本的に歌うことが好きだと思いますが、変声期や思春期に直面して苦手意識を持つ子もいる。そんな子たちに、自分の声で表現することの楽しさや達成感を経験させてあげるのが自分の役割だと思い、接してきました」
「生徒に繰り返し伝えてきた…