読者からの投書欄「声」で、「あいさつも名乗りもしない裁判官」(6月5日配信)を読んだ。壮絶な経験を経てようやく臨んだ養育費の調停なのに、裁判官はあいさつに応えず、目も合わせない。
なぜなの? 共感する投書が、24日の配信で続く。事務的な裁判官に疑問を持った人は、少なくないらしい。
連想したのは、津地裁の民事部総括判事だった竹内浩史氏だ。3月末で退職したが、全国でもまれな裁判官実名のブログで、「肉声」を発し続けた。
行動もした。一昨年、自身のSNS投稿などが問われた岡口基一仙台高裁判事(当時)の罷免(ひめん)をめぐり、国会議員でつくる裁判官弾劾(だんがい)裁判所に弁護側証人として立った。
昨年は勤務地によって格差のある裁判官の地域手当は「違憲、違法だ」として国を訴えた。
岡口氏の表現が適切だったのか、地域の民間賃金との差をどう考えるかなど、論点はいろいろあるだろう。
だが、自ら行動し、いつも実…