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高千穂町初の地ビール「高千穂五穀エール」=2024年7月1日午後2時25分、宮崎県高千穂町役場、星乃勇介撮影
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 天孫降臨伝説の地、宮崎県高千穂町に、初の地ビール「高千穂五穀エール」(発泡酒)が誕生した。原料の五穀だけでなく、仕込んだ水まで高千穂産。「まちの魅力を多くの方に知ってもらう手がかりに」と関係者は意気込む。

 町の「高千穂まちづくり公社」が企画。新型コロナの収束とともに町に観光客が増えてきた中で、「町の良さを広めるために地ビールが欲しい」という声が上がり、約1年かけて準備した。

 原料にはホップ、麦芽、大麦のほか、町産のコメ、小豆、割とうきび、もち麦、はと麦の五穀を使った。水は町きっての観光地・高千穂峡を流れ、町の水源にもなっている名水「玉垂の滝」。これを同県延岡市のクラフトビール会社「宮崎ひでじビール」が仕込んだ。

 同社の永野時彦社長によると「ホップを抑えて五穀の風味を前面に出し、飲みやすさを生かした。和食に合う印象」。生産能力に余裕がない中、「高千穂の役に立てたい」という公社の思いに応えたという。

 ラベルも「太陽(アマテラス)」や「光」をモチーフとした、黄色が基調の華やかなものに。外国人観光客も意識したという。「高千穂の水と光が五穀を育て、町を潤し、日本を潤す。水にまつわる神話のストーリーを1本の中に表現させてもらった」(永野社長)

 今月1日に町役場でお披露目があり、永野社長と甲斐宗之町長がそろって商品を紹介した。第1弾は2500本限定で、330ミリリットル入り税込み600円。町内の「道の駅高千穂」と直売所「鬼八の蔵」のほか、公社のネットショップで買える。(星乃勇介)

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