図書館前の掲示板には紙でできた紅白の梅、カウンターにはタンポポが咲き、本棚には文学賞を祝うくす玉や郷土の著名人の似顔絵、進学や就職を願う絵馬が並ぶ。久留米市立久留米商業高校の図書館は、にぎやかな装飾にあふれている。
手がけているのは司書の太田敬子さん(63)。魅力的な館内の装飾や「図書館だより」の作り手として講師を務めるなど、知る人ぞ知る存在だ。
【連載】「母校 知っと~」
あの高校の伝統行事や名物はどう受け継がれている? 令和の時代の学校生活とは? 福岡県内のスクールライフの「いま」を描きます。
小さい頃からお絵かきや工作が大好きで、短大を卒業後は幼稚園教諭としてその才能を発揮。子育てのため専業主婦になったが、40代で司書の資格を取得し、42歳で小学校の図書館へ。再び、工作熱に火がついた。
「居心地や雰囲気づくりのため、楽しんで作っています」。太田さんの遊び心で彩られた空間は、児童だけでなく教員も集う交流の場に。司書の役割を理解してもらうことができた一方、教員の仕事の大変さも感じた。
■「なぜ図書館に電車が……」
2019年に着任した久留米…