スペースシャトルに乗って、2度の宇宙飛行をした毛利衛さんが、同志社大学(京都市上京区)で講演した。宇宙飛行士の経験をもとに、持続可能な未来のために、人類を含む全ての生命のつながりを意識した新たな知恵が必要だと指摘し、「みなさんにはそれを生み出す可能性がある」と学生らにエールを送った。
講演は、同志社の創立150周年記念事業の一環。27日夜にあった「地球と宇宙を展望する―宇宙時代における大学の使命―」と題するシンポジウムのなかで行われた。
毛利さんは、宇宙飛行士として取り組んだ実験や観測を写真や映像で紹介。宇宙の闇のなかで「地球がすごく青く輝いていた」と振り返った。
その上で、温暖化や生物多様性の減少などの課題に対し、人類が自らを地球の生命の一員と捉え、「地球の生命を維持する『つながり』を考えながら、生活を変えていくという発想が必要ではないか」などと語った。
シンポではこのほか、毛利さんと同志社大の小原克博学長との対談や、毛利さんや同大の教員らが「宇宙と私たちのこれから」のテーマで意見を交換するパネル討論などがあった。