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厚生労働省の入る合同庁舎=東京都千代田区

 物価の影響を考慮した働き手1人あたりの6月の「実質賃金」は前年同月より1.3%減り、6カ月連続のマイナスとなった。高水準だった今春闘の賃上げが多く反映されたが、物価高に追いつかず、プラス転換の道筋は見えない。

 厚生労働省が6日、毎月勤労統計調査(速報)の6月分を発表した。労働者が実際に受け取った「名目賃金」にあたる現金給与総額は2.5%増の51万1210円と、42カ月連続で増加した。だが、食料の値上げなどで消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が3.8%上昇し、実質賃金を押し下げた。

 現金給与総額のうち、基本給などの所定内給与は2.1%増の27万244円。賞与(ボーナス)など特別に支払われた給与は3.0%増の22万1391円だった。

 昨年6月は賞与が急増した影響もあり、実質賃金は27カ月ぶりにプラス転換したが、今回はマイナスにとどまった。

 今年の春闘は、労働組合の中…

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