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特殊詐欺の被害の実態について語る男性=2025年6月27日午後2時16分、愛知県警本部、野口駿撮影

 警察官をかたる特殊詐欺で約240万円をだまし取られる被害にあった愛知県内の男性(30)が取材に応じ、被害の実態を語った。県内では今年に入り、警察官がたりの詐欺被害が激増。被害額は6月までの半年間で、前年同期比で約13.7倍の約19億3900万円に上る。若年層の被害も目立つ。同世代の人たちに同じ目にあってほしくない――。男性は、そんな思いで警鐘を鳴らす。

 きっかけは1本の見知らぬ番号からの着信だった。

 5月21日の昼過ぎ、男性が自宅でくつろいでいると突然、携帯電話が鳴った。電話に出ると、相手は「埼玉県警のササキ」と名乗った。

 ササキは、詐欺事件に使われていたキャッシュカードの1枚が、男性の名義だったと説明した。「詐欺グループの首謀者と関わりはあるか」「埼玉で20日間勾留されるか、オンラインで取り調べを受けるか」などと問われた。

検察官も登場「紙幣の番号見ればわかる」

 全く心当たりはない。でも、「容疑をかけられているなら晴らさないといけない。話せば無関係だとわかってくれるだろう」。ササキに誘導されるまま、ビデオ通話に応じた。

 ビデオ通話では、ササキとは…

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