愛知県に住む永井匠さん(47)の声に、異変が表れたのは2016年6月。38歳の時だった。
高熱などの風邪症状が出て、病院にかかった。だが、熱が下がった後、声がかすれるようになった。手足がしびれ、ふるえや倦怠(けんたい)感も残った。
すぐに治るだろう。そう思っていたが、手のふるえと、かすれ声は、まったく良くならなかった。
力を入れて発声しようとしても、息ばかりが漏れる。裏声になったり、会話の中でもおかしなタイミングで息継ぎをしたりしてしまう。
住宅メーカーで設計の仕事をし、お客さんに住宅のプランニングをしていた。
「おはようございます」も言えない状態で、「風邪ですか?」と心配された。徐々に声の状態が悪化し、契約のための打ち合わせもできなくなった。「なんですか? その声は」と笑われてしまうこともあった。
「けいれん性発声障害」の疑い、治療が難しいと分かり…
専門の耳鼻咽喉(いんこう)…