インタビューに応じるフィリピンのテオドロ国防相=2025年6月1日、シンガポール、大部俊哉撮影

 フィリピンのテオドロ国防相が1日、訪問先のシンガポールで朝日新聞などのインタビューに応じた。中国が海洋進出を強める中、「より強靱(きょうじん)でグローバルな同盟や多国間連携を築き、違法で一方向的な行動に共同で抵抗する必要がある」と強調。日本の中谷元防衛相が提唱した「OCEAN(オーシャン)」構想に協力する考えを示した。

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 テオドロ氏はシンガポールで同日閉幕した「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)に参加した。日本の中谷元防衛相やヘグセス米国防長官らと会談。日米豪比の4カ国会談も開かれた。

 フィリピンは南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島などの領有権をめぐり、中国との間で緊張が激化している。「我々が進むべき方向は明確だ」。インタビューでテオドロ氏は、同盟国の米国とともに、より多くの国との安全保障協力を強化していく意向を示し、「その変化の責任は中国にある」と批判した。

 その上で、日本との関係について、「(東シナ海や南シナ海で)共通する現実に直面している」と指摘。「中国の拡張主義に悩まされ、自然災害のリスクにさらされている。日本と協力できることは幸運だ」と述べた。

オーシャン構想への評価は

 中谷氏が共通の価値観をもつ…

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