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柴山桂太(しばやま・けいた) 京都大学大学院人間・環境学研究科准教授。専門は経済思想。主な著書に「静かなる大恐慌」(集英社新書)、共著「グローバリズムが世界を滅ぼす」(文春新書)など多数。

柴山桂太・京都大大学院准教授(経済思想)インタビュー

 有権者の政治への失望が広がっていると感じています。裏金問題や旧統一教会問題もそうですが、不満はもっと根深いところにあると思います。

 物価高に賃金の伸びが追いつかない状況が続き、庶民の生活は苦しい。前回の衆院選が行われた2021年から比べると株価は大幅に上がりましたが、その恩恵にあずかったのはごく一部の層です。多くの人は株を持っておらず、庶民は、景気回復の実感がないのが実情でしょう。

 金融資本や外国資本の力で、日本経済を活性化させるやり方は、平成以後、自民党政権が進めてきた政策です。小泉改革で規制緩和をし、安倍政権下では積極的な財政金融政策を行うアベノミクスで顕著になりました。岸田政権は新NISAの導入や外国資本の誘致などを熱心に進めました。

 グローバルな資産と人材を積…

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