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北京五輪で、アイスダンス・フリーダンスの演技を終えたROC(ロシア・オリンピック委員会)のイワン・ブーキン(左)とアレクサンドラ・ステパノワ=2022年2月14日、ロイター

 アスリートは自国の政治や戦争の責任を負うべきなのか。

 「私たちの夢を返して」

 ロシアのフィギュアスケート、アイスダンス選手のアレクサンドラ・ステパノワ(29)と、イワン・ブーキン(31)は5月中旬、悲痛な思いを吐露した。

 ロシアによるウクライナへの全面侵攻を受け、国際オリンピック委員会(IOC)はロシア、ベラルーシの五輪出場を個人資格の「中立選手」のみに制限している。IOCの報道担当は「(勧告は)現在も有効だ」と語り、2026年2月のミラノ・コルティナ冬季五輪でも状況は変わらない。

 全選手を除外しないのは、人権侵害にあたる可能性があるためだ。

 ミラノ・コルティナ五輪に向け、国際スケート連盟(ISU)は今年5月、厳しい審査を経た一部選手の五輪予選参加を承認した。ただ、認められたのはフィギュア部門は4人だけ。そこにステパノワ、ブーキンの名前はなかった。

 2人には、漏れた理由が分からないという。だから、ロシア・フィギュアスケート連盟を通じて声明を出し、詳しい説明をIOCとISUに求めた。

 22年北京五輪では6位に入…

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