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フランス文学者の白石嘉治さん

 東京大学の学費値上げの行方が注目されています。フランス文学者の白石嘉治さんが、長い間「大学はタダであるべきだ」と主張している理由は、家庭の負担増など経済的なことだけではないそうです。話を聞きました。

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大学は「学校」ではない

 「大学はタダであるべきだ」と20年以上主張しています。経済的な理由からだけではありません。大学には国家や経済とは違う無償性の論理があるからです。

 そもそも大学は「学校」ではありません。国家や経済に役に立つ人間をつくるために、有用な知識を与える場が学校です。例えば、近代の学校は軍国主義とセットでしたし、専門「学校」は経済に役立つ知識や技術を教えるためにあります。

はびこる「有償性の論理」

 一方、中世ヨーロッパに発生…

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