アイナロハ代表の渡邊大地さん=東京都内

A-stories 産後離婚④

 産後離婚はなぜ減らないのか。「夫婦のミゾが埋まらない」などの著書があり、産後の育児・家事をサポートする事業「ままのわ」を2012年から展開する、アイナロハ代表の渡辺大地さん(43)に聞いた。

 ――今は3児の父というご自身も、離婚の危機があったそうですね。

 第1子が生まれて6カ月くらいのとき、突然妻に「話がある」と言われました。夫婦で話をする時間をつくりたい。それができなければ、夫婦を続けることは難しいと思う、というのです。

 驚きました。当時僕は出版社につとめていましたが、妻とは毎日会話をして、わりと育児もやっているつもりでした。家族のために一生懸命働き、なんとか子どもが眠る前に帰宅して、1日1回は遊ぶ。子どもの写真もたくさん撮っていた。

 でも妻が言うには、確かに子どもの話は聞いてくるが、妻自身が1日どう過ごしていたかに関心がないというのです。毎日気持ちの浮き沈みがあるし、体調も日々変わっていく。それをちゃんと聞いて欲しいと。それを理解してもらえるなら、今後も夫婦でいられるけれど、と。

 ええー、と思いましたが、仕方なく、週に1回、日曜日の夜に1時間だけ、と決めて話し合う時間をつくることにしました。

 厚生労働省の調査によると、ひとり親になった女性の4割は子どもが0~2歳のときに離婚しており、5歳までを合わせると6割にのぼるという。日本に「産後離婚」が多い理由は……。

妻のイライラの理由が見えてきた

 ――どんなことを話していたのですか。

 話題はそのときどきで、貯金…

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