智弁和歌山前監督 高嶋仁の目

 (20日、第107回全国高校野球選手権和歌山大会3回戦 市和歌山5―2桐蔭)

 野球にエラーはつきものですが、エラーが失点に結びついてしまうと勝機を逃がしてしまうと感じる試合でした。

 1点をリードしていた桐蔭ですが三回表の守りで1死一塁から、ゴロを処理した二塁手が遊撃手へ悪送球。併殺を狙ったのだと思いますが、焦らずにワンアウトを取る場面だったと思います。

 その後、風に押し戻された打球が深く守っていた中堅手の前に落ちる安打で満塁とされ、この回逆転されてしまいました。市和歌山にもエラーはでましたが、失点にはつながらなかったのが勝敗を分けました。

 市和歌山の先発、土井源二郎投手(3年)は初回に3連打で先取点を奪われましたが、二回以降は変化球をうまく使う投球に切り替え、桐蔭打線を抑えました。

 捕手の川辺謙信主将(3年)のリードもよかったのでしょう。4番を打つ川辺主将はこの試合4安打。エースが好投し、4番が打つという理想的な試合で、市和歌山の力を感じさせました。

 桐蔭の先発、内田悠斗投手(2年)は序盤、相手打線を抑えていましたが三回に2点を失ったことで動揺したのか、四回の投球は安定感を欠きました。

 この回、2点を奪われますが回の途中で継投しても良かったと思います。2番手の中尾綾佑投手(3年)が好投しただけに、少し残念に思いました。

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