シンシン=2024年9月17日、東京動物園協会提供

 上野動物園(東京都台東区)のジャイアントパンダ、オスのリーリーとメスのシンシンが29日、中国に返還される。2011年に同園にやって来てから、約5千日。多くの人を楽しませ、元気づけてきた2頭を、特別な思いで見つめる人がいる。

 「リーリーとシンシンは、明るさと希望をもたらしてくれた看板役者。奇跡のパンダです」。上野観光連盟の名誉会長で、「パンダ専任大使」の肩書を持つ二木(ふたつぎ)忠男さん(71)は、そう語る。2頭を同園に呼んだ立役者の一人だ。

 パンダは1972年、日中国交正常化に際して中国から初来日して以来、上野のシンボル的な存在だ。二木さんは、パンダが新たに来日したり生まれたりするたびに、商店街などにペナントやポスターを掲げ、グッズも制作。アメ横商店街連合会の名誉会長も務め、街をあげて盛り上げてきた。

 2008年にリンリン(オス)が死ぬと、同園のパンダはゼロに。「人出が目に見えて減った」

「いてもいなくてもいい」発言を受け、直談判

 当時の石原慎太郎・都知事は…

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