フランスで開催中のカンヌ国際映画祭で最高賞を争う長編コンペティション部門に、日本の「ルノワール」が参加している。監督は早川千絵さん(48)。仕事や子育てに追われても監督になる夢を諦めず、45歳で長編デビューした「遅咲き」が世界最高峰の舞台で注目されている。
17日にあった公式上映。エンドロールが流れた後、会場では観客が総立ちになって拍手を送った。早川監督は、出演した鈴木唯さんや石田ひかりさん、リリー・フランキーさんとともに歓声に応えた。マイクを渡されると、「温かい反応をありがとうございます」とあいさつした。
映画は、1980年代後半の郊外を舞台とする、11歳の少女フキのひと夏の物語。フキは闘病中の父と仕事に悩む母のもとで育つ。様々な大人と出会い、傷つきながら成長していくフキの心の機微を繊細に描いた。
早川監督自身が映画監督への夢を初めて抱いたのも、ちょうどフキくらいの年齢だったという。
米大学の映画学科でぶつかった「壁」
「子どもの頃からお話を作る…