英スコットランド・エディンバラで2024年4月6日、「女性に話させろ」と題した集会に抗議し、トランスジェンダーの権利を訴える人びと=ロイター

 「女性」とは法律上、何を意味するのか。出生時に決められた性別が男性で、性自認は女性の人びとを、法的に「女性」とすべきなのか。英最高裁判所が16日、判断を下す。トランスジェンダー女性の権利に大きな影響を及ぼす可能性がある。

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 この訴訟はスコットランドの女性団体が、スコットランド自治政府を相手に起こした。焦点となっているのは、職場や公共空間で性別に基づく差別を幅広く禁じている2010年の英平等法だ。

 女性団体は、法的な保護は生まれつきの女性だけに適用されるべきだと主張。一方、自治政府は、「ジェンダー認定証明書」(GRC)で女性とされるトランスジェンダーの人びとにも適用されるべきだとしている。

 GRCは、性別違和の診断を受け、自認する性で2年以上暮らしているなどの条件を満たせば取得することができる。GRCがあれば、出生や婚姻、死亡の証明書を自認する性で記載したり、更新したりすることができる。

 スコットランドの裁判所は22年12月、法律上の性別について「生物学的な性別や出生時の性別に限定されない」と判断。女性団体の主張を退け、控訴裁判所も23年11月にこの判断を支持した。

 最高裁の判断次第では、トランスジェンダー女性が、女性専用の保護施設や刑務所、更衣室などを使う権利が保護されるようになる可能性もある。

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