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相馬野馬追の「お行列」。騎馬武者たちが市街地を3キロ練り歩いた=2024年5月26日、福島県南相馬市原町区、酒本友紀子撮影
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 国の指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追(のまおい)」を開催する団体の総会が22日開かれ、「未婚の20歳未満」とされている女性騎馬武者の参加条件を撤廃することを決めた。男女平等や出場者数の確保の視点から、条件の撤廃を求める意見が出ていた。1984年に参加条件が明文化されてから初めての変更で、今年5月の開催から適用される。

 昨年暮れの執行委員会総会で変更を求める意見が出され、5地区の代表らでつくる「五郷騎馬会長会」に判断が委ねられていた。条件を撤廃した上で、「武家文化の継承という野馬追の本質的価値を尊重し、『武士らしさ』『技術力』『健康面』『社会性』などを勘案の上、出場者の適格性を判断していくべき」となった。

 福島県の南相馬市博物館によると、相馬野馬追に女性参加が解禁されたのは47年とみられ、53年に初めて女性が参加したという。

 その後、78年に国の文化財に指定されたが、当時は女性の参加に制限はなかった。84年に騎馬会決定事項で「未成年の未婚者で化粧はしてはならない」と条件が明文化され、以降このルールが適用されてきた。

 今回の改定で、かつて騎乗した女性も参加が認められるようになる。執行委員会が昨年6月、過去10年間に出場した中学生以上の女性に対し、条件が緩和されたら参加を希望するかアンケートしたところ、約8割が再出場に前向きであると回答をした。条件の撤廃で、女性の出場者の増加が期待される。

 執行委員長を務める門馬和夫・南相馬市長は「さむらい文化を守るべきだという意見もある中、男女平等の視点から英断をしてもらった」と話した。相馬野馬追は今年は5月24日~26日に開催される。

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