アフガニスタン東部のクナール州の村で2025年9月2日、地震で生き残った女性とその子どもたちが支援を待っている=AP

 アフガニスタン東部で発生した地震から7日で1週間。同国を支配するイスラム主義勢力タリバンが女性の就労や教育機会を制限してきた影響で、現地では女性医師が不足。女性による診療を望んだ重傷者の女性が命を落とすなど、深刻な問題につながっている。また、被災地に近い病院では、地震後に治療を受けた人のうち女性が1割未満と、極端に少ないことがわかった。これまでに発表された死者は2205人、けが人は3640人に上るが、犠牲者はさらに増える可能性がある。

  • アフガニスタン地震の死者2205人に タリバン公表

 アフガニスタンのメディア「ハシュテ・スブ・デイリー」は5日、地震で胸骨を折る大けがを負った女性が、搬送先のクナール州の病院で亡くなったと報じた。女性医師による診察を望んだものの、女性スタッフが少なく、緊急治療に対応できなかったためという。

 現地では伝統的に、女性医師が女性の診察をすることが望ましいとされてきた。女性による診察を希望する女性もいる。

 だが、2021年8月に実権を握ったタリバンは中学以上の女性の教育機会や就労を制限。昨年12月には例外的に認めていた女性の医療系教育機関への通学も禁じた。新たな女性医師は育っていないうえ、タリバンの支配から国外に逃れた女性医師も多いとみられ、女性のニーズに応じた診療機会の縮小が懸念されていた。

被災地の病院、女性の受診者は1割未満

 被災地では、病院に来る女性…

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