多古高の1年生に仕事の魅力を語る熊崎紗弥佳さん(左)=2024年6月20日午後1時58分、千葉県多古町多古、小林誠一撮影
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 【千葉】多古高校(多古町多古)で、社会人から話を聞く「進路講話」があった。町内で活躍する姿を通して、全1年生(82人)に進路を考える手がかりを早めにつかんでもらう試みだ。

 町で唯一の公立高校である多古高校の定員は普通科80人、園芸科40人。地理的な影響もあり、近年の入試では近隣の多くの高校と同様に定員割れが続く。卒業後は半数超が就職するため、進路講話やインターンシップといったキャリア教育に力を入れている。

 20日にあった進路講話では、リゾート施設運営会社「HA(ハ)MI(ミ)RU(ル)」(市川市)の熊崎紗弥佳社長(37)がトップバッターとして講演した。同社は多古町で2020年に閉校になった旧常磐小で、約3年後に校庭をグランピング場、野球場をオートキャンプ場として再生させ、年間約2万人が利用する人気施設に育てている。

 熊崎さんは多古町について「何もないところがいい」「成田空港まで車で30分。世界に近い」と評価した。生徒たちに「やりたいことを形にしていこう」と語りかけた。

 続いて、同高出身の町職員2人と町議1人が登壇した。今春卒業したばかりの平山獅堂さん(18)は「段階を踏んで進路を考えていけばいい」。佐藤隼右(しゅんすけ)さん(18)は「好きなことを仕事にしてほしい。調べてみることから始めてみては」と助言した。

 参加した多古町育ちの宇井一結(ひゆう)さん(15)は「どの話も分かりやすかった。まだ希望の進路はないが、未来につなげていければ」と話した。(小林誠一)

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