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パールハーバー国立記念公園を見学し、松井一実広島市長(右端)に帰国報告をする若者たち=2024年9月1日午後1時8分、広島市中区、興野優平撮影

 広島市の平和記念公園と米ハワイ州のパールハーバー国立記念公園との姉妹公園協定に基づき、若者と被爆者の計7人が8月、ハワイへ派遣された。参加者は9月上旬、松井一実市長に帰国報告をし、「未来」に向けた対話のために「過去」を学ぶ大切さを語った。

 市は協定について、報道向けの発表文に「過去の悲しみを耐えて憎しみを乗り越え、未来志向で平和と和解の架け橋の役割を果たしていくことになる」と記している。

 提案したのは米国側だった。G7広島サミットが約1カ月後に迫った2023年4月、在大阪・神戸米国総領事館が広島市に対し、サミット中の締結を電話で打診。市が開示した文書によると、米側は「シスターパークとすることは米国政府の意向」「理想としては、G7で署名できること」と伝えていた。実際にはサミット後の同年6月に締結された。

 同年9月の市議会では、協定をめぐり市民局長が「原爆投下に関わる米国の責任の議論を現時点では棚上げする」と答弁し、物議を醸した。

 国立記念公園の英語の名称は「パールハーバー・ナショナル・メモリアル」。旧日本軍の真珠湾攻撃を記憶する施設だ。市によると、当初は「メモリアル」を「記念館」と訳す案もあったが、協定の締結過程で「公園同士の協定」であると明示するために「公園」と訳すことに決めたという。2024年2月の市議会では市民局長が「便宜上、公園という言葉を使っている」と答弁した。

 今回は、公募した高校生と大学生計5人と被爆者2人が8月17~22日に現地を訪れた。

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